最近楽器吹けなくてずっとゲームのことばっかり書いてましたが、そろそろ楽団も再開の見込みが立ってきて、喜ばしいのでクラリネットのこと書いちゃう。

吹奏楽、オーケストラ、個人的趣味(笑)で生まれて初めてクラリネットを手にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本当はトランペットやサックスなど見た目が華やかな楽器を希望していたのに、半強制的にクラリネットを持たされた中1の頃の私のような方も居るかもしれませんね

これから長い間クラリネットと付き合っていくために、私が初心者の方に伝えるとしたらどんなことだろうと考えてみました。
これから書くことは、みてくださってる方への忠告でも何でもなく、今の私が昔の自分に伝えたいことです。クラリネットをずっと好きでいるための、そして上手くなるための。
自分の反省文なのであります。。

プロの先生について教わる方向けではありません。
学生で、部活で初めて楽器に触れる方向けな気がします。



【クラリネットを始める人たちに伝えたいこと】

1.吹奏楽部クラリネット伝説に惑わされないこと
 学生にとって、楽器を吹くほとんどの時間が部活動であり、中には部活動が全てという場合も多いと思います。
 そのような環境でどんなことが起こりやすいかというと、根拠のない言い伝えがまるで世の中の常識のように語られることです。
 具体的な例で言うと… 
○リードの硬さは硬い方がいい音がする。あるいは硬いリードが吹ける方が上級者である。
○パート割は1stのヒトが一番上手く、3rdのヒトは下手である。
 …といったものが代表的で、正直意味不明な迷信である。
 リードの選択については、いずれ書いてみたいと思うけれど、クラリネットには『初心者向け装備』とも言えるセットがあって、それは例えば「マウスピース:バンドレン5RVL+リード:バンドレン青箱3番+リガチャ:クランポン純正」のような、いわゆるとっつきやすさと汎用性を備えたオーソドックスな組み合わせです。
 大多数のヒトにとって吹きやすいセッティングである程度の基礎を身につけてから、人それぞれ自分に合うセッティングを模索していくわけです。それが、そのセッティングでずっと吹くパターン、オープニングが小さいマウスピースに硬めのリードを合わせる方が良いとなるパターンもあれば、開きの大きなマウスピース(人気のB40とか)に柔らかめなリードを合わせていくパターンもあるわけで。2半や3の硬さのリードを愛用されているプロの方も多いと思います。
 というわけで、上手い人が硬いリードを使っているという理屈は成り立ちますが、硬いリードを使っているヒトが上手いという理屈は成り立ちません。くれぐれも「上手くなりたいから硬いリードを選ぶ」なんて無駄なことはしないように(笑) 上達への遠回りになりかねません。
 パート割については結構前に吹奏楽的クラリネットパート論という記事を書いたので、ヒマならみてみてください(笑) 

2.初心者のうちから音質にはこだわること
 楽器を鳴らすこと、響きを持たせること、遠鳴りさせること。
 すべては息の使い方の問題であるため、ある程度無意識下でできないと曲を吹く時に大変になってしまう気がします。無意識で出来るようにするためには、初心者のうちからブレスの問題なんだと気付いて訓練しておく必要があるということ。
 もちろんここで注意なのが、ブレスって言うのがただ腹式呼吸をするのではなくて、息の密度や方向をコントロールすることだということです。
 このことについて、先日東京佼成ウインドオーケストラの大浦綾子さんが上げてくださった動画内に解説がありましたので、敢えて何も説明せず動画を貼っておきますね……
 いやぁわかりやすい!!

 また、モデルになる音を知ることも大切です。今のご時世、ことごとくコンサートは中止になっちゃっているので、生の良い音に触れる機会はあまりないですが、音源でも動画でも、いい音を知ってそのイメージを持つことが大事だなぁと思います。

3.基礎練は目的を考えながらする
 初心者からプロまで、楽器を吹くときには必ずやることが基礎練習です。私の師匠もプロの演奏家さんですが、毎日ロングトーン・スケールは欠かさないとおっしゃっています。
 ロングトーン、スケール、タンギング、アーティキュレーションetc. なんだか単調でつまらなく感じる瞬間がありますよね。基礎練すっ飛ばして曲練習したーい(笑)
 私の場合、今はどちらかというとすぐに曲練習に移りたい派(理由は練習する時間が限られているから)なのですが、高校時代は上手くなりたい一心で毎日(365日の毎日です(笑)1時間くらい基礎練習ばかりしていました。
 けど、それで上手くなれたかというと、実は「?」です。
 何故なら「基礎練をすること」を目的にしてしまっていたからです。ただ何も考えずにひたすらに基礎練習。やらないよりはずっと良かったけど、やっぱり勿体ないことしたなぁと。
○何のために基礎練習をするのか
○それぞれの基礎練習で、何を習得するのか。どうなりたいのか。
 せっかく基礎練習をするのだから、やみくもにやるのではなくて、目的意識を大事にすれば凄く貴重な時間になるはずです。



いかがでしたでしょうか。
どれもこれも、クラリネットを10年以上吹いている今になって『あの時こうしておけば良かった』と反省していることです。
中学高校の部活だし〜とか、一時的な趣味だし〜とか今思っていても、もしかしたらクラリネットと10年以上の付き合いになるやもしれません。
どうせやるなら上手く吹けた方が絶対楽しい!!

……というわけで、私の反省を是非参考にしていただければ幸いです。